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169-参-経済産業委員会-5号 平成20年04月10日

特許法等の一部を改正する法律案に関する審査

○中谷智司君 皆さん、おはようございます。民主党の中谷智司です。

 藤末健三委員に続いて、特許法の一部を改正する法律案について御質問をさせていただきます。私の専門はITで、かつては論文や特許を書いていましたので、特許法改正案について質問ができることをうれしく思います。

 WIPOによると、二〇〇七年の国際特許出願ランキングにおいて国別では日本はアメリカに次いで世界第二位、企業別では日本の松下電器産業が首位に立っています。知的財産権は現在そしてこれからの日本経済の中核にもなり得る制度的インフラであり、大小問わずすべての企業に深いかかわりのある制度です。大企業では独自に知的財産戦略を構築して積極的な取組を進めている企業もたくさんあります。しかし、一方、中小企業においては有効活用できている企業は非常に少ないのが現状です。

 先ほど藤末委員も質問の最後の方で中小企業について質問をされていましたけれども、私はまず最初に、知的財産と中小企業について御質問をさせていただきたいと思います。

 中小企業にとっては知的財産というのはまだまだ敷居が高いものだと感じています。まずは、特許とは何かだとか知的財産権とは何か、どのようなメリットがあるか中小企業に理解してもらい、浸透させる必要があると思っています。そのような初歩の初歩の取組をしておられますでしょうか。また、中小企業が知的財産を有効に活用するために特許出願の手続や権利活用、事業化などの支援をする必要があると考えますが、これらの対策を講じておられるでしょうか。甘利大臣に御質問をしたいと思います。



○国務大臣(甘利明君) 知的財産国家戦略というのは、知財を有効に活用することのメリットを大企業だけではなくて、日本の産業、経済を支えている中小企業まで周知徹底をすることであろうかと思っております。中小企業の知的財産の創造、保護、活用、このサイクルを促進をしていくということは、地域の経済の活性化であるとか、あるいは中小企業自身のイノベーションの促進に資するものというふうに考えております。

 中小企業が知財に対して抱えている課題というのは幾つかありまして、一つは、知財戦略そのものがうまく構築できない。それから、そもそも出願の方法がよく分からぬ、それから特許出願の審査請求をすべきか否かの判断材料が足りない、あるいは特許権のライセンス等のノウハウがない、あるいは海外への出願費用負担が大きい等、多岐にわたっているわけであります。

 このために、知財を活用したビジネスプラン作りの支援であるとか、あるいは年これは四千回以上にわたっておりますけれども、延べですね、弁理士等による無料相談会、あるいは無料の特許先行技術調査の支援、あるいは特許流通アドバイザーの派遣など、出願から権利の活用に至るまで様々な支援メニューを用意しているところであります。

 また、従来から全国九か所に設置をしております地域知的財産戦略本部、これは地域経済産業局に設置をしております、これや全国の商工会、商工会議所に設置をしております知財駆け込み寺、これは二千五百か所になりますけれども、これらを活用しまして初心者から実務者まできめ細かく対応したセミナーや説明会を開催するなど、知財の普及啓発活動を展開しているところであります。

 さらに、地域中小企業の支援を一層強化をし、中小企業の外国出願の助成措置を新設することを通じまして、中小企業や地域経済の活性化に貢献してまいるところであります。



○中谷智司君 私もいろいろ調べさせていただきました。特許庁は本当にたくさんの知的財産支援策、中小企業に対してやられています。私もこれを、資料をいろいろ見させていただいて、本当にすばらしい取組をされているなというふうに感じました。

 しかし、私が地元徳島の中小企業の経営者の方々とお話をしていると、もちろんこういうふうな施策について御存じな経営者の方もいらっしゃるんですけれども、まだまだ浸透し切れていないんだなというふうに感じています。先ほど普及に努めておられるというようなお話をされましたけれども、具体的にどういうふうな普及活動をされているんでしょうか。せっかくすばらしいものがあるのを是非とも中小企業の方に使っていただきたいと思っておりまして、そこについてお伺いしたいと思います。



○政府参考人(肥塚雅博君) 今、私ども調査しましても、制度を御存じない方が多いというのを私ども率直に反省をしております。

 それで、やっておりますのは、さっき申し上げましたように、中小企業の出願人の方が、これ全部、全数ですけれども、十七年度でいいますと一万一千社ございますけれども、そこに直接郵送で施策のパンフレットをお届けすると。それから、弁理士会にお願いしまして、七千人の弁理士に全部その施策内容を伝えて、弁理士会にもお願いしてそういうことを出願人の方に伝えていただくと。それから、さっき大臣が申し上げました知財の駆け込み寺ですとか、いろんな都道府県の知財センターというようなところに実はお願いをしているところです。

 それから、もう一つは、私ども直接に、これは数は少ないんですけれども、専門官がおりまして、これが全国の中小企業に伺っていろんな問題点、要望というようなものをお聞きしていまして、それでいろんな制度を変えたり、さらには広報方法を変えていくというような取組をしておるところでございますけれども、更にその面では努力をしていきたいというふうに考えております。



○中谷智司君 ありがとうございます。

 せっかくのすばらしい支援策ですので、是非とも全国の中小企業の方々に使っていただけるように、何よりもこの支援策をつくることがまずは大切ですけれども、次のステップとして使っていただくということが大切ですので、そちらにも力を入れていただきたいと思います。

 今回の法改正、中小企業が喜ぶような施策が多いと思いますけれども、実際に中小企業の特許制度の活用に役立つとお考えでしょうか。お聞かせください。



○国務大臣(甘利明君) 今回お願いしております法改正におきましては、中小企業の負担感が強いと中小企業側の声が大きい十年目以降の特許料を重点的に引き下げると同時に、中小企業が利用割合が高いものが商標権の設定登録でありますけれども、割と手軽にできるということでありますが、この登録料が実はかなり高いんでありまして、これを大幅に引き下げるということとしておりまして、この二つの点でも中小企業に大変に恩恵があるのではないかというふうに思っております。これによりまして、中小企業による特許権、それから商標権の維持というものが容易になりまして、その制度利用が促進をされるということを期待をしております。

 また、中小・ベンチャー企業におきまして、特許の成立を待たずに自らの発明をより早期に他者にライセンスするなどの活用ニーズがあるわけでありまして、今回、特許出願段階のライセンスに係る登録制度を創設をしまして、そのライセンスを保護することによりまして、中小・ベンチャー企業は自らの発明をより早期に他者にライセンスしやすくなるために、研究開発、事業活動に必要な資金のより迅速な手当てが可能となるわけであります。

 このように、今回の法改正は中小企業による特許制度の活用の促進に資するものと考えております。



○中谷智司君 ありがとうございました。

 私も、地元徳島の中小企業の経営者の方々とお話をすると、特許は申請も面倒だし、何より料金が高いというお話をよく伺います。そして、先ほど藤末委員もお話しされていましたけれども、今回は、法改正によって特許・商標関係料金の引下げがされると、こういうことが盛り込まれています。特に商標については、国際比較をしても日本は随分高いですし、中小企業にとっても申請件数が多く、中小企業の実情を踏まえたすばらしいものだと思っております。この法改正、是非とも、先ほどの中小企業支援のことも含めて、この法律案が実際に施行された場合には是非とも中小企業の方々にお披露目をしていただきたい、そういうふうに思っております。

 それでは、具体的に法の中身について御質問をさせていただきたいと思います。

 通常実施権等登録制度の見直しにおける仮専用実施権、仮通常実施権の制度創設及びその登録制度についてお伺いをします。

 先ほど甘利大臣が御説明くださったところですけれども、特許庁による審査を経ていない技術は、それが特許権を付与されるに値するものであるかどうかが明らかになっていないということであって、結果的に特許権が付与されなかった場合には仮専用実施権、仮通常実施権も消滅するということになります。その場合、仮専用実施権、仮通常実施権の取得に費用が発生すれば取得者が損害を被ってしまう、こういうことも考えられます。専門的ではない事業者がそのようなリスクを詐欺的行為によって被ることになってしまうような危険性はないでしょうか。また、そのような危険性を低減するためにも本制度を十分に周知する必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。



○政府参考人(肥塚雅博君) 御指摘のとおり、仮専用実施権また仮通常実施権に係る特許出願が特許権として成立しなかったという場合には、それらの実施権、仮実施権も消滅するということになります。

 こういうリスクがあることにつきましては審議会でも御議論がございました。一つは、特許出願段階の発明に係るライセンスが主として企業間で行われていて、ライセンス契約に係る事業活動の安定性確保を図る政策ということの必要性が高い、あるいはこれによって知財の流通を拡大したいという必要性から、こういう登録制度が必要だという結論に至ったわけでございます。

 それからまた、外国でも出願段階のライセンスに係る登録制度はございますけれども、必ずしもそういう問題は生じてないというふうに承知をしております。

 ただ、いずれにいたしましても、今お話しのように、これから制度について利用者の方々に十分周知していただくということをやっていかなきゃいけないわけですけれども、その中で、仮専用実施権あるいは仮通常実施権の登録が行われたとしても必ずしもその特許出願が特許権の設定登録に至るとは限らないという今の先生の御指摘の点についても、併せて制度を周知する中できちっと周知を図るようにしてまいりたいというふうに思います。



○中谷智司君 多分これについては、経験や専門性を持つ大企業だとか、あるいはこういう特許を何度も出願されているような、こういう方にとっては起こりにくいことなのかもしれませんけれども、特に中小企業で初めて特許を取ろうとされている、そういうふうな専門的な知識を持たないようなことも多々あります。法改正によって企業やあるいは個人が損害を被らないように是非とも配慮をしていただきたい、そう思います。

 それでは、仮専用実施権、仮通常実施権について質権は設定できませんが、その理由は権利の不安定性によるものですか、これについて御説明をください。



○政府参考人(肥塚雅博君) 特許法では特許権については質権を設定することができるということにされておりますけれども、特許権成立前における権利である特許を受ける権利については質権を設定することができないということとされております。これは先生の御指摘のとおりでございまして、特許を受ける権利は特許出願後において補正や分割によりその範囲が柔軟に変動するということなどが主な理由であるというふうに言われております。

 したがいまして、仮専用実施権、仮通常実施権につきましても、その権利の範囲が特許出願の補正ですとか分割によって変わり得るという点では特許を受ける権利と同様であるということから、質権を設定することができないということとしているわけでございます。



○中谷智司君 今後についてはどういうふうにお考えでしょうか。この仮専用実施権や仮通常実施権についての質権についてお伺いさせてください。



○政府参考人(肥塚雅博君) 取引実務といいますか経済取引の実務においてはいわゆる譲渡担保を設定するという実務が行われていて、譲渡担保ということが行われているということは、逆に言いますと、特許成立前の権利をファイナンスの対象にするというニーズが少なからずあるということを示していることでもございまして、私どもとしましては、特許権成立前の権利、仮専用実施権、仮通常実施権を含めた特許権成立前の権利を質権の目的とすることについて、これから具体的なニーズの把握、あるいは法律的な連続性といいますか、出願中の権利と特許権との法的な連続性といった法制面の検討も必要かと思いますけれども、そういうニーズあるいは法制的な検討を引き続き続けたいというふうに思っております。



○中谷智司君 中小企業にとってはこれまでは特許よりも実用新案の方がなじみやすい制度であったと思いますが、今回、実用新案についても同様の仮専用実施権、仮通常実施権を設定する必要についてはどういうふうにお考えでしょうか。



○政府参考人(肥塚雅博君) その点につきましても専門家の間でも議論がございました。実用新案につきましては、特許と異なりまして基礎的な要件の審査のみで権利が登録されるということもございまして、出願から登録までの期間が平均二・六か月でございます。そういうふうに短うございますので、出願中の権利についてライセンスを行っている実態あるいは保護を求めるニーズというのはないというのが私どもの調べた限りでございます。

 それからもう一点、実用新案につきましては、特許権のような出願公開に係る補償金請求権といったようなものもないということで、実用新案につきましては仮専用実施権ですとか仮通常実施権及びそれらの登録制度を設けないということにしているわけでございます。



○中谷智司君 ありがとうございました。

 それでは質問を次に続けまして、現行の通常実施権登録制度の活用に向けた見直しについて御質問をさせていただきます。

 最近は、技術に関する情報が公開されるだけでも国内外の競合者の参考となることを敬遠して、独立行政法人であっても特許を取得しない戦略を取るほど情報管理の重要性が増してきています。そのような中で、特許権、実用新案権に係る通常実施権の登録事項を一定の利害関係人に限定するという段階的開示は時代の要請である、このことは十分理解できます。しかし一方で、仕組みを十分理解せずに、利害関係を有していても情報の開示を受けられないと考えるような誤解が生じるおそれもあり、十分な周知が必要だと思います。

 このことに関する取組や御意見を伺わせてください。



○大臣政務官(荻原健司君) これまで使い勝手が余り良くなかった、それを良くしたいということでの制度の見直しということでございますけれども、この制度の見直しによりまして、通常実施権に係る登録事項のうち制度利用者からの非開示ニーズの強いものにつきましてその開示を一定の利害関係を有する者にのみ限定をすることとしております。

 まず、この利害関係を有する者として開示を受けられる、見られる者の範囲につきましてはライセンサー及びライセンシー、そして対象特許権等の取得者、質権者、そして差押債権者等、そして破産管財人等でございます。これらを想定をしておりますけれども、これは具体的には今後政令で定めることとしております。

 経済産業省といたしましては、今後これらの制度改正について説明会を全国各地およそ二十か所で取り組んでいきたいと思っておりますし、もちろんホームページ等でも周知をしていきたいと思っております。その中で利害関係人の範囲を含めました通常実施権制度の開示制限についても併せて周知をしっかりしていきたいと考えてございます。



○中谷智司君 今言われた全国で二十か所やられるという会は具体的にはどのようなものなんでしょうか。どういうふうにしてお知らせをして、どういう方がその会に出席されるんでしょうか。



○政府参考人(肥塚雅博君) 法案成立後全国で、さっき先生の方からお話がございました中小企業のいろんな制度も含めまして説明会を開催していきたいというふうに思っておりまして、その中でやらさせていただこうというふうに考えております。



○中谷智司君 ありがとうございます。

 それでは、専用実施権についてはこのような段階的開示は規定をされていませんが、取組に差異が生じている理由について伺わせてください。



○政府参考人(肥塚雅博君) 本来、登記、登録によって第三者対抗力などの法的効果が生ずる権利につきましては、取引の安全の観点から登記あるいは登録情報が公示されるというのが原則だろうというふうに考えております。

 しかしながら、登記、登録情報が公示されると何らかの支障が生ずるような場合、あるいは第三者の取引の安全性への影響も配慮しながら一部の情報の開示を一定の利害関係人に限定するということが可能と考えられておりまして、現に動産、債権譲渡の登記制度などで登記、登録情報の一部非開示制度が導入されているわけでございます。

 今回の特許法改正では通常実施権についてはその存在あるいは内容を非開示にしたいというニーズが非常に強いと、それから非開示にいたしましても特許権を譲り受けようとする方はデューデリジェンス、法的監査を行うのが通常で、実質的に取引の安全性は損なわれないということから、知財の流通の拡大ということのような政策の必要性を踏まえまして登録事項の一部を非開示にするということにしたわけでございます。

 他方、専用実施権につきましては、通常実施権の場合と同様に非開示にしたいというニーズは強うございますけれども、専用実施権はその設定の範囲では特許権と同様な物権的な排他的独占権を有すると、そういう意味では通常実施権よりもむしろ特許権の設定と同様に考えることも適当ではないかということで権利の内容及び権利者を公示することが必要というふうに考えております。こういうことで審議会でも御検討いただいた結果、専用実施権につきましては登録事項の開示制限は行わないということにした次第でございます。

 ただ、独占的通常実施権あるいは専用実施権といったような取引の実態等も踏まえまして、引き続き専用実施権と独占的な通常実施権の関係といったようなことは考えていかなきゃいかぬというふうに思っております。



○中谷智司君 今回のこの法改正は、私がこの手に今持っています、産業構造審議会で取りまとめられた特許権等の活用を促進するための通常実施権等の登録制度の見直しについて、これが多分ベースになっているんだと思います。

 この報告書の中では、今回の法改正に盛り込まれていない点についても一定の方向性が提示をされています。特許を受ける権利の移転等に係る登録制度やサブライセンスの保護の在り方については私は重要性が高いんじゃないかと考えますが、これらについて今回の法改正に盛り込まれなかった理由と、今後に向けての取組について伺わせてください。



○政府参考人(肥塚雅博君) まず第一点の、特許を受ける権利の移転等に係る登録制度の創設でございますけれども、審議会では中小あるいはベンチャー企業を始めとした制度利用者の中で特許を受ける権利の財産的価値の重要性が高まっているというようなことを踏まえまして、登録制度の創設ということが提案をされております。

 ただ、特許を受ける権利の移転の件数というのは年間で二〇〇六年で見ましても六万件強ということでございまして、新たな登録制度を創設するに当たっては大規模なシステム改変というものが必要になってまいります。私ども、今後、例えばPLTという特許法条約で各国の申請手続の統一化、簡素化を目的とした条約を批准するというようなこと、あるいは特許庁における新しいシステムの整備ということを今進めているものでございますから、その中でこれをも実現していきたいというふうに考えております。

 それから、サブライセンスの保護でございますけれども、今回は、通常実施権を介して間接的にサブライセンシーから特許権者が許諾を得たことを証する書面を提出すればサブライセンスについても登録できるように運用を改善するということはまずやろうというふうに考えております。

   〔委員長退席、理事藤原正司君着席〕

 ただ、ライセンス契約の中でサブライセンスを行う権限を授権するという特約自身を通常実施権の登録事項として第三者に対抗させるべきかどうかという点につきましては、率直に申しますと、審議会においてサブライセンスの法的な性格でございますとか契約の実態、あるいは取引の安定性への影響といったようなことで議論がございまして、その点につきましては産業界の中にも要望があるというのを私ども承知しておりますけれども、引き続き検討していきたいというふうに考えております。



○中谷智司君 重要性が高いものは大胆に法改正の中に盛り込んでいく必要があると思います。これからも議論に議論を重ねて、実用性が高くて知的財産にかかわる方々にとって使いやすい法律にしていかなければならないな、そういうふうに思っております。

 それでは、話を変えまして、世界的に大きな問題となっている知的財産の侵害について御質問をしたいと思います。

 海外からの知的財産侵害が日本の産業に深刻な影響を及ぼしています。加害国は中国、韓国、台湾などアジア地域が中心で、中でも中国が群を抜いています。中国における日本企業の模倣品、海賊版被害額の推計は九・三兆円にも上ると言われています。

 そして、この手口なんですけれども、もちろんいろいろありますけれども、一つは、先ほど藤末委員が今はもう本当にインターネットで論文や特許の情報が取れるというようなお話をされていましたけれども、まさにその一つとして、日本の特許庁がホームページ上で公開している特許データベース、特許電子図書館にアクセスをし、日本の公開特許やその他の技術情報を模倣するケースがあります。

 実際に私もこの特許電子図書館というのを使ってみました。非常に分かりやすく、使いやすくて、特許庁の方はもう本当にすばらしいものを作られているなと思いました。私も自分の名前を入れてみますと、私が昔に作った特許も出てきまして、ちょっと感激をしたんですけれども。

 ただ、これ、すばらしい反面、逆に言うとインターネットを活用して模倣するケースが増えている。これに対する対策について伺わせてください。



○国務大臣(甘利明君) 特許電子図書館では、出願公開制度の下で公開された特許情報というものをインターネットで提供をしているわけであります。

 この出願公開制度というのは世界の主要国で採用されている制度でありまして、出願の内容を公表するということによりまして、重複研究による無駄な投資や重複出願を抑制するとともに、公表された技術を基にしてより優れた技術の開発を促進する重要な制度であります。この公開情報を活用して研究開発を行うということは外国の利用者に限らず日本の大学や企業でも通常行われていることであります。

 特許電子図書館の特許情報の公開というものが技術流出を招いているのではないかという御指摘があるということはよく承知をしております。こうした公知の技術と同じ技術の特許出願は、日本でも中国等の外国でももちろんこれは特許にならない、当たり前の話でありますが、他方、公知になった技術から改良された発明は特許になる可能性があるわけであります。そのために、経済産業省としては企業に対し、関連する周辺技術を含め、日本国内のみならず、世界的に特許を取得するか、あるいは出願せずノウハウとして対外的に秘匿するかを選択する等、より戦略的に出願管理を行うよう促しているところであります。

 日本もよその特許を閲覧をして、それを基に改良して更に特許を作っていくという権利もあれば、逆に外国にも同じような権利があるわけでありまして、これはなかなか一方だけ止めるわけにはいかないと。日本の特許を利用される比率の方が多いんではないかという、可能性はあろうかと思います。しかし、これは、特許というのは公開制度とリンクしている制度でありますから、なかなか止めてしまうというわけにはいかない。

 ですから、企業としての戦略として、これは登録したことによって、例えば製造特許なんというのは工場の中で使われておったら特許侵害が把握できませんから、そういうものはノウハウとして管理をし、先取要件で自分の特許侵害には対抗していくとか、あるいは、この特許は公開されると周辺でいろいろ新しい特許を生まれて、それがビジネスになっていく可能性の方が高いから、自分のところでそういうところまで全部カバーできるまでは秘匿していくとか、そういう戦略的にこの出願管理を行うということが大事だということを日本の企業関係者にはアドバイスをしているところであります。

   〔理事藤原正司君退席、委員長着席〕



○中谷智司君 ありがとうございます。

 まさに、こういうふうな発明というのは、もちろんこれ全世界に公開をしていくべきですし、前向きに考えれば、今の発明からアイデアを得てすばらしい発明ができていけば、それは本当にすばらしいことだと思います。ただ、片や一方、こういうふうな模倣品やあるいは海賊版のようなものが作られているということにもつながっています。ですから、例えば海外から不正に余りにも大量のアクセスがあるだとか、そういうふうなことに対しては何がしかの対策を講じていくべきだと私は思います。

 続いて、世界税関機構と国際刑事警察機構の二〇〇四年の推計では、世界の模倣品の取引額は年間五千億ユーロ、約八十兆円に上っていると言われています。この世界的な広がりを見せる模倣品、海賊版被害を防ぐ国際条約の締結を目指すなどの必要があると思いますが、経済産業省としてはどのような取組をされているでしょうか。



○国務大臣(甘利明君) 模倣品、海賊版の世界的な拡散というのは、おっしゃるように企業利益の侵害、イノベーションの減退のみならず、消費者の健康や安全を脅かしていると。偽物の部品が自動車の事故につながったりとか、もちろん直接消費者に害を及ぼすという事案は随分報告されているわけであります。でありますから、看過できないもちろん問題でありますし、犯罪組織に対する資金源となっているということも指摘をされているわけであります。世界の経済、それから社会に対する深刻な脅威となっているわけでありまして、こうした状況にかんがみまして、我が国としては、平成十七年のグレンイーグルズ・サミットにおきまして模倣品、海賊版の世界的な拡散の防止に向けた法的枠組みの策定の必要性を提唱いたしました。

 これは、実は不肖私が、小泉さんの政権ができたときに知財戦略を提唱して、それから、このグレンイーグルズ・サミットの直前に総理と直談判をしまして、こういう条約を日本から世界標準で発出してみませんかということを直接交渉をしました。総理は、面白いということで、よし、やろうということになったわけでありますが、実は事務的に手続を進めようと思いましたら、なかなかこれが進みませんで、サミットを準備していらっしゃる方々が、もう題材とか一通りテーマを決めているのに直前にこんなものを持ち込まれてもちょっと対応ができぬということがありまして、私はもう絶対やってもらわなきゃ困るということで、大臣と直談判をしまして、じゃ持ち込むということになったわけでありまして、関係当局には大変にいろいろ手間暇掛けたわけでありますけれども、日本から発信をしたわけであります。

 これは今ACTAと呼ばれて世界中が、特にアメリカなんというのは自分が呼びかけたみたいな気持ちになって、日本もこれ是非協力して取り組んでもらいたいと言うから、それはおれが言い出したことだろうということを言っているのでありますけれども、かなり世界中がその気になってきたわけでありまして、昨年から知的財産権保護の志の高い国とともにこの条約構想の実現に向けて集中的な協議を進めているところであります。

 かなり議論は醸成してきているところでありますので、可能な限り早期の条約の妥結に向けて取り組んでいきたいと思っております。



○中谷智司君 ありがとうございました。

 この模倣品被害というのは、本当にもう世界中に広がっていて、一国だけの取組ではもうどうしようもないような状況になっています。甘利大臣、積極的に取り組んでいただいていますけれども、是非ともその活動を続けていただきたい、そういうふうに思います。それに加えて、やはりこれ消費者の方が模倣品や海賊版も買わないように、そういうふうな運動も広げていく必要があるんじゃないか、そういうふうに私は思っています。

 今世界的に知的財産で稼いでいこうという、利益を出していこうという企業が増えてきています。しかし、日本はまだまだ知的財産によって利益を得ていこうということに関しては世界的には先進国とは言えないんじゃないかと思います。特に、大企業ならまだしも、中小企業においては知的財産を利益にしていこうという感覚さえもまだまだないんじゃないかと思います。

 そうした中で、知的財産である特許の管理や活用を信託銀行に任せる特許権信託の利用がじわりじわりと拡大をしていますが、知的財産の流通を手助けする仲介業者がまだまだ少ないのが現状です。特許を持つ大学や中小企業と利用企業を結び付けたり、知的財産価値を妥当に評価する仲介業者の発掘や育成が急務であると思いますが、甘利大臣の御見解を伺わせてください。



○国務大臣(甘利明君) 経産省も特許流通を促進するための事業を展開しておりまして、具体的に申し上げますと、特許技術の保有者がその技術のライセンス締結、事業資金の支援等を募る場であります特許ビジネス市、これ年三回東京、大阪でやっておりますが、これを開催をすると。それから、企業や大学等が保有する提供可能な特許の発掘と企業等の特許導入ニーズを把握をしまして、両者のマッチングアドバイスを行います特許流通アドバイザーの派遣、今百六名が在籍をしています。ライセンス許諾の用意のある特許の情報をインターネットで提供する特許流通データベースの提供、これは今五万二千情報をデータベースに登録されているわけであります。こうした事業を行っております。

 この結果、事業開始から昨年度末までの間に、ライセンス契約の締結を始め成約件数が一万件を超えるなど、特許流通促進事業は着実に成果を上げてきているところであります。

 今後とも、経済産業省といたしましては、オープンイノベーション時代に対応した企業等における多様な知財戦略を支援をしてまいります。



○中谷智司君 ありがとうございました。

 時間が参りましたので結びに入りたいと思いますけれども、藤末委員も言われていましたけれども、資源の少ない日本において、ただ、日本は技術やアイデアにおいては本当にすばらしいものがたくさんあります。この知的財産というものを日本の大きな財産に育てていけるように経済産業省の方々も全力で取り組んでいただきたいなと思います。私も、この知的財産を日本の大きな財産にできるように一緒に頑張っていきたいな、そういうふうに思っております。

 ありがとうございました。

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