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第177国会(常会) 財政金融委員会 2011年8月9日

○中谷智司

 皆さん、おはようございます。民主党の中谷智司です。

 まず最初に、白川日本銀行総裁にお伺いをいたします。

 ニューヨーク・ダウ平均株価が一日で六百ドル以上下落をいたしました。米国、欧州、そして新興国あるいは資源国、世界中を巻き込んで、今、日本は円高となっています。

 日本経済に対する円高の影響についてどのようにお考えか、白川総裁、お答えください。

○白川方明 日本銀行総裁

 お答えいたします。

 為替の円高につきまして、これはプラスの面、もちろんマイナスの面もございますし、それから短期と長期では異なってまいりますけれども、取りあえず私どもが今考えていますことを申し上げますと、原材料などの輸入コストを引き下げ、企業や消費者にプラスの影響を及ぼす面もこれはございますけれども、現在の状況を考えてみますと、海外経済の先行きをめぐる不確実性が大きいこの局面においては、円高の動きが、輸出や企業収益の減少、企業マインドの悪化などを通じまして、震災後の落ち込みから立ち直る途上のこの日本経済に対しマイナスの影響を及ぼす可能性に特に注意する必要があるというふうに考えております。

 それから、もう少し長い目で見ましても、電力の供給制約など震災後の日本経済には様々な不確実性が残る下で、円高の進行などを背景に、企業の生産の海外シフトの加速や中長期的な成長期待の低下が生じる可能性に注意が必要でございます。

 日本銀行としては、こうした円高のマイナスの影響にも十分配慮しまして、先週末、金融政策決定会合で包括基金の増額という措置を講じたところでございます。

○中谷智司

 今の白川総裁のお話からすると、日本経済にとっては円高というのは総合的に見てマイナス面が大きいと、そういうふうに御判断されたんだと思います。

 政府が八月四日に為替介入をいたしました。このタイミングについてどういうふうにお考えか、そして、先ほど白川総裁お話しされましたけれども、同じ日に日本銀行も金融緩和をされましたが、この目的についてお聞かせください。

○山口廣秀 日本銀行副総裁

 お答えいたします。

 為替介入自体は、先生も御承知のとおり財務大臣の所管事項でありますので、私の立場からはコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。

 その上で、今回の日本銀行による金融緩和の強化についてでありますが、幾つか背景になるポイントがあると思っております。

 一つは、海外経済の不確実性が高まっているということであります。それからもう一点が、それに端を発しまして、為替市場ですとかあるいは金融資本市場が不安定な動きを見せていること、これが二点目であります。それから三点目ということになりますが、そうしたことを踏まえまして、先行き景気が下振れるリスクにより留意すべきと判断したということでございます。更に加えて言いますと、これが最後でありますが、消費者物価の前年比が近々政府が公表する基準改定により下方修正される可能性が高く、物価安定の実現までにはなお時間を要すると見られること、これらの点を十分考慮に入れたものであるということであります。

 したがいまして、今回の措置につきましては、先行きの様々な不確定要因を前もって踏まえた上で、この時点で十分な措置を講じたものというふうに考えております。日本銀行の政策姿勢を今回は特に明確に示すという観点に立ちまして、資産買入れ等の基金の増額幅については従来の五兆円刻みを変えまして十兆円という思い切った規模にしたものでございます。

○中谷智司

 経済界では、政府の為替介入やあるいは日本銀行の金融緩和を歓迎をしています。

 そこで、改めてここでそもそものお話をお伺いをしたいんですけれども、日本では、円高になると輸出型製造業を中心に収益にマイナスと、そういった叫び声一色になります。日本の輸出型の企業からすれば、業績に影響を及ぼすのは間違いありませんし、円高が続くと生産拠点の海外移転やそれに伴う雇用の流出にもつながりかねません。しかし一方、円高のときには、私たちが海外に行くと何でも安く買えますし、輸入企業にとっては収益押し上げ要因ということにもなります。もちろん歓迎をする企業というのもあります。つまり、円高というのは見方によってプラスにもマイナスにも作用します。

 そこで、円高、つまり自国の通貨が強いということがそもそも日本経済にとって本当に悪いことなのかどうか、この件を日本銀行総裁そして野田財務大臣にお伺いいたしたいと思います。

○白川方明 日本銀行総裁 お答えします。

 円高あるいはその逆の円安もそうですけれども、この問題を考えますときには、時間の軸というのをやっぱりはっきりさせる必要があるというふうに思います。短期での問題、それから少し長い時間を掛けた調整後の姿ということによってもやっぱり違ってまいります。

 確かに、先生御指摘のとおり、円高は、これは実質的な日本の購買力を高めるという効果をこれは長期的には持っているわけでございます。それが、消費者が例えば海外に行って旅行で安く物を買えることもそうですし、様々な形で、それから日本企業にとっても原材料が下がってその結果収益が上がるというプラス効果は、これはあると思います。そういう意味で、長い目で見た場合には、その円高の持っているプラスの効果というのが経済に徐々に浸透していくということになってくると思います。ただ、短期的には、これは輸出関連企業に対して収益あるいは輸出の下振れというものをもたらすことを通じて悪影響を及ぼします。

 今起きています円高は、これは円高ではございますけれども、これは今ドルの全面安という形でございます。ドル安がどういう背景の下で起きているのかという文脈と照らし合わせてやはりこの円高を考えていく必要があるというふうに思います。世界経済全体の回復の弱さ、それから欧州、米国の財政不安、こうしたものがベースにあっての円高でございます。そういう下で、円高の短期的なマイナス効果が付け加わってきますと、景気の先行きに対してどうしてもマインドが冷えてくるということでございます。

 したがいまして、先生御指摘のとおり、長期的に見ればもちろんプラスの効果がありますし、中央銀行の総裁として、プラスもマイナスも、短期も長期も十分認識した上でしっかり政策運営を行ってまいりたいというふうに思っております。

○野田佳彦 財務大臣

 一般論で言えば円高には、先ほど来の御議論にもあるとおり、輸入価格の低下による企業収益の増加要因となるほか、国内投資家、消費者の購買力の増加につながるなどのメリットがある一方、外需の減少であるとか、設備投資や雇用の停滞、さらには企業の海外移転等を通じて経済成長の下押し要因になるというようなことがあると思います。

 先ほど八月四日の為替介入について日銀にお尋ねがございましたけれども、これは、やはり昨今のマーケットの動向というのは明らかに一方的な円高の動きに偏っているということの中で、せっかく震災からみんなで全力で立ち上がろうとしているときに日本経済や金融の安定に悪影響を及ぼすと、そういう観点から介入を実施をさせていただいたという次第でございます。

○中谷智司

 今、白川総裁もお話をされましたけれども、今の日本経済にとって、つまり短いスパンでいうところの日本の経済にとっては円高というのはマイナス面の方が大きいんだと思います。しかし、やはりこの円高というのは、円高が良いあるいは悪いというよりも、経済のグローバル化の中で、日本が円高など様々な変化に対応できる強い経済、こういったものに対応できていないことが問題なんだと思います。

 もちろん短期的にどういうふうに対処をしていくか、このことも重要ですけれども、これから日本は人口減少に向かいます。世界の人口構成も変わっていきます。世界のマーケットが大きく動いていく中で、これからの日本経済をどういうふうにしていくか、このことをきちんと中長期的なビジョンを持って議論をしていくことが何よりも重要なんだと思います。

 そこで、政府の財政の責任者、そして経済の責任者である野田財務大臣にお伺いしたいんですけれども、日本経済を円高など様々な変化に耐え得る柔軟な構造に転換をしていくことが何よりも重要だと思いますけれども、この点についてどのようにお考えでしょうか。

○野田佳彦 財務大臣

 基本的には中谷委員の御指摘のとおりだというふうに認識をしています。日本経済を円高による経済の下振れリスクに耐え得る構造にしていくためには、雇用、投資、消費の基盤づくりなどにより、内需の下支えを図ることが重要であります。

 具体的には、新成長戦略等の考え方に基づいて、産業空洞化を食い止めるための立地競争力の強化や、環境、医療、介護などの分野における潜在需要の顕在化と安心できる社会保障制度の確立などによる雇用、消費の拡大によって、円高による影響に耐える構造の構築を図っていくことが必要だと思います。加えて、円高に対応するためには、資源関連を含め海外の資産購入を進めるなど、円高メリットを活用する観点も併せて必要ではないかというふうに思います。

 なお、昨年の六月にまとめました新成長戦略については、先日、震災後の状況変化を踏まえた戦略の方針を示す「日本再生のための戦略に向けて」が決定をされたところでありまして、日本再生のための戦略の具体像をこれから提示をしていきたいと政府としては考えているところでございます。

○中谷智司

 今、野田財務大臣から、円高メリットを活用した経済対策も考えていかなければいけないというお話がありました。この件については、政府も以前から様々な取組をしようとおっしゃられていますけれども、ただ、まだまだこの件に対する取組というのは私は甘いと思っていますし、政府として、これから様々な条件に対応できるような構造に転換をしていくために、もっともっと真剣に中長期的な日本の経済のモデルというのを考えていただきたい、そしてその議論に是非とも参加をさせていただきたいと思います。

 今、世界の中における日本の経済についてお話をさせていただきましたけれども、今度は国内における日本の経済のことをお話をさせていただきたいと思います。

 時間がありませんので、大きなお話だけさせていただきたいんですけれども、三月十一日の東日本大震災から五か月がたちました。日本国民を始め世界各国の皆様方が、被災地域はもちろんのこと、私たち日本の経済のことについて心配をしてくださっています。

 白川総裁、日本経済に関する今の認識と、そしてこれからの見通しについてお聞かせください。

○白川方明 日本銀行総裁

 お答えします。

 議員御指摘のとおり、三月十一日の東日本大震災によりまして、日本の経済は突然の供給制約に直面しました。資本設備の毀損、サプライチェーンの寸断、それから電力の不足であります。

 こうした供給面の制約につきましては、これは関係者の懸命の努力、現場力ともいうべき努力の結果、着実に持ち直してきております。電力につきましても、この夏場に関する限りは、様々なみんなの努力によって生産活動を大きく制約するということではなくなりつつあるわけでございます。こうした下で個人消費は持ち直し方向に転じていますし、企業の設備投資も計画数字で拝見しますと、比較的しっかりしたものになっております。

 ただ、先行きについては、先ほど来申し上げていますとおり、様々な不確実性があるというふうに認識しております。一つは、欧米経済、財政の問題もそうでございますけれども、バブル崩壊後の欧米経済の回復、それから新興国も、これは物価と成長の両立、これが果たしてうまくソフトランディングできるのかということもございますし、そうしたことを背景に欧米の金融市場もこのところ不安定な動きを示しているということでございます。

 したがいまして、日本の経済への構えとしては、現在、震災後のこの復旧復興の過程をしっかりしたものにしていくという努力が必要でございます。と同時に、先ほど議員が御指摘のとおり、日本の経済は震災の前から抱えていた積年の課題がございます。急速な少子高齢化が進む下で日本の生産性も徐々に低下をしてきていると、この事態に対してしっかり歯止めを掛けていくという取組がない限り、日本経済が本格的に成長するということは難しいと思います。

 したがいまして、日本の経済については、ごく短期の供給制約の問題、その後の復興の問題、それからより根本的な構造的な改革に取り組むということが大事だというふうに認識しております。

○中谷智司

 こういった深刻なそして大変大きな問題が起こったときには、大きく見る目と、そして小さく、つまり局所的に見ていく、その二つが重要なんだと思います。日本経済については、大きな目で見ていくと日本の経済というのは将来的には回復をしていくんでしょうけれども、ただ、お一人お一人の被災された方々の生活を取ってみると、家族の方を亡くされたり、あるいは家や会社を津波によって流されてしまったり、深刻な問題がまだまだたくさんあります。こういったお一人お一人の生活のことも考えながら、これからの日本経済の再建のことを是非ともお考えをいただきたいと思います。

 そして、白川総裁がお話をされましたけれども、私たちのこの日本の経済は、東日本の大震災が起こる以前から、とりわけ地方と言われる地域では経済が良くなかった。そこに建築基準法の改正やあるいは原油高騰やあるいはリーマン・ショックや円高株安、こういったいろいろなマイナスの要因が積み重なっていました。つまり、まだまだ被災地域以外の地方も大変深刻な状況が続いていると思います。

 私の地元徳島でも、もちろん何よりも被災地域の皆様方の復旧復興、皆様方の生活こそが大切だと歯を食いしばって仕事をされたり生活をされていますけれども、今の被災地域以外の地方の状況をどのようにお考えか、白川総裁、お聞かせください。

○山口廣秀 日本銀行副総裁

 お答えいたします。

 各地の景気動向を見ますと、このところ持ち直し方向の動きが出ているというふうに思っております。私ども、七月に地域経済に関するレポートというのを取りまとめておりますが、それは全国九地域に分けまして経済状況を見ているわけでありますが、七月時点ではかなりの地域で持ち直しの動きが出ているということでありました。

 ただし、同じ地域の中でも動きが一様ではないというふうにしっかり認識しておるつもりであります。業種ですとかあるいは企業規模、あるいは企業間で見た場合に業況の差というのはかなり見られるということでありますし、更に細かく見てみますと、人口が減少する地区における中小企業などでは大変厳しい状況にあることも認識しております。

 金融政策運営に当たっては、あくまでも日本経済全体を見ていくことがベースになるわけでありますが、地域経済の状況についても私どもの本店それから支店の調査機能などを十分に生かしながら引き続ききめ細かく点検してまいりたいと、かように思っております。

○中谷智司

 先ほどもお話を申し上げましたけれども、私たちのこの日本という国は東日本大震災という深刻な問題を抱えています。そして、それに加えて従来からの経済の様々な課題を抱えています。

 リーマン・ショック後そして東日本大震災後の経済対策をどのように総括し、どのようなシナリオでこれから日本の経済を再生させていくか、野田財務大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

○野田佳彦 財務大臣

 リーマン・ショック後の厳しい経済情勢については、昨年の秋以降の予備費やあるいは補正予算を活用した経済対策等によりまして、今年の初めには景気の足踏み状態を脱して持ち直しに転じており、一定の景気の下支え効果があったというふうに認識をしています。

 また、三月に起こった東日本大震災からの復旧復興については、早期の立ち直りのため、災害復旧等の公共事業費を盛り込んだ第一次補正予算や、被災者の債務問題への対応等を盛り込んだ第二次補正予算を成立をさせていただきました。

 その着実な執行に取り組んでいきたいと思いますが、今後においては、まずは震災からの施設、設備、サプライチェーンの復旧、再構築などの本格復興に向けた施策に全力で取り組んでいきたいと思います。また、長期的には新たな成長分野の拡大、革新的エネルギーの創造といった成長力の強化に努めていくことが肝要だというふうに思います。

○中谷智司

 今日のこの質疑の中でお話をさせていただきましたが、今、日本は内外に様々な課題を抱えています。

 とりわけ、東日本大震災は日本に甚大な被害をもたらすとともに、私たち国民の心にも大きなショックを与えました。しかし、この大変なピンチを是非ともこれからチャンスに変えていかなければなりません。そして、私たちの国が希望や誇りを持って国民が生活をしていけるような国づくりに取り組んでいかなければならない。そのために是非とも、日銀総裁あるいは財務大臣、そういったことを胸に刻んで職務に取り組んでいただきたいと思います。

 ありがとうございました。

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